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5G対応ポケットWi-Fiは必要?法人が見るべき4つの判断基準

法人向けにポケットWi-Fiを選ぶ担当者・通信商材を扱う代理店の方に向けて、「5G対応は本当に必要なのか」を判断する基準を解説します。5Gがつながる場所も、5Gの中身(周波数帯)も地域によって大きく違います。本記事では、UROCOMM JAPAN正規代理店の株式会社リンク・クリエーションが、総務省の公表データをもとにエリア・周波数帯・用途・端末コストの4つの判断基準を整理してご紹介します。

「5G対応」はもう標準、それでも迷うのはなぜか

モバイルルーターのラインアップはすでに5G対応が主流で、法人契約で新しく端末を用意するなら、5G対応機が自然と候補に入ります。それでも「うちの使い方で本当に必要なのか」という質問が出るのは、5G対応をうたう端末を配ったのに、現場で体感が変わらなかったという声が実際にあるからです。

原因は端末側ではなく、つながる場所とつかむ電波の中身にあります。ここを整理せずに「5G対応だから速い」と説明してしまうと、導入後の期待外れがそのまま不満になります。判断基準を4つに分けて見ていきます。

判断基準①エリア|「5G人口カバー率98.6%」は事業者を重ね合わせた数字

総務省が2026年7月に公表した「5Gの整備状況(令和7年度末)」によると、2025年度末(2026年3月末)時点の全国の5G人口カバー率は98.6%、各都道府県では89.2%〜99.9%でした。ほぼ全国に行き渡っている印象を受ける数字です。

ただし、この資料には注記があります。この98.6%は「携帯キャリア4者のエリアカバーを重ね合わせた数字」です。つまり、どこかの事業者がエリア化していればカバー済みとして数えられており、自社が契約している回線で5Gが使えることを保証する数字ではありません

実際、総務省が同じシリーズで公表している前年版の資料(令和6年度末の整備状況)では事業者ごとの5G人口カバー率も示されており、最も高い事業者が97.1%、最も低い事業者が61.1%と30ポイント以上の開きがありました。回線の選び方によって、同じ住所でも5Gが出る・出ないが変わるということです。

確認のしかた

導入前にやるべきことはシンプルで、実際に使う場所の住所で、契約する回線のエリアマップを確認することです。拠点だけでなく、外回りの営業エリア、工事現場、イベント会場など「実際に電源を入れる場所」で見ます。屋内では建物の構造や階数でも変わるため、テスト機を1台借りて試すのがもっとも確実です。回線を二重化して備える考え方は法人BCPに通信の備えを|ポケットWi-Fiで回線を二重化でも解説しています。

判断基準②周波数帯|「速い5G」はまだ全国の4分の3

ひとくちに5Gと言っても、使う電波の帯域は分かれています。総務省の整備状況の資料でも、5G基地局数は「ローバンド・ミッドバンド」「サブ6」「ミリ波」に区分して公表されています。ざっくり言えば、広く届きやすい帯域と、速度を出しやすい帯域があり、後者の代表がサブ6(3.6〜4.1GHz帯/4.5〜4.6GHz帯)です。

そのサブ6について、総務省は「サブ6展開率」という指標を公表しています。2024年度末時点で全国75.5%(人口の多い上位13,250メッシュのうち、複数事業者のサブ6基地局が展開されているメッシュの割合)で、2027年度までに90%という目標が掲げられています。

注目したいのは都道府県ごとの差です。同じ資料から抜き出すと、次のようになっています。

都道府県 サブ6展開率(2024年度末)
大阪府 94.0%
東京都 84.5%
神奈川県 65.6%
茨城県 32.9%
栃木県 26.7%
群馬県 17.6%

大阪と群馬で5倍以上の差があります。本社が都心にあるかどうかではなく、端末を使う拠点がどこにあるかで、5G対応のメリットの出方が変わるということです。加えて、5G本来の機能を活かすSA(スタンドアローン)方式は、2024年度末時点の総務省レポートを見ると事業者ごとに進捗の差が大きく、主要駅周辺や商業地域といった都市部の拠点エリアからの展開が先行している段階です(同レポートの時点では、SAをまだ提供していない事業者もありました)。

ここが「5G対応なのに体感が変わらない」の答えです。端末が5G対応でも、その場所にサブ6が来ていなければ、実際につかむのは広く届く帯域で、4Gに近い体感になることがあります。

判断基準③用途|業務で必要な速度は、思っているより小さい

次に見るのは、そもそも業務にどれだけの速度が必要かという点です。日常業務の代表であるWeb会議について、Microsoftの公式ドキュメントは「Teams は帯域幅使用率に対して常に保守的であり、1.5 Mbps 以下で HD ビデオ品質を実現できます」と説明しています。同ドキュメントの帯域幅要件の表でも、1対1のビデオ通話の推奨値は上り下りとも1.5Mbps程度、複数人の会議でも数Mbpsの水準です。

つまり、メール・グループウェア・Web会議・クラウド勤怠といった一般的な業務は、4Gでも十分に成立する帯域だということになります。テレワーク用途で選ぶときの考え方はテレワーク用Wi-Fiを従業員に貸与|法人の選び方ガイドにまとめています。

5G対応が効いてくる使い方

  • 大容量ファイルのやり取りが多い……設計図面、動画素材、高解像度写真を現場から送る用途。
  • 1台に多人数がつながる……展示会ブース、店舗の応援スタッフ、イベント運営など。同時接続台数が多いほど、帯域の余裕が体感に出ます。
  • 映像を送り続ける……現場のライブ配信、遠隔での立ち会い、カメラの常時アップロード。
  • 都市部の混雑した場所で使う……人が集まる場所では4Gの帯域が混み合うため、別の帯域に逃げられること自体がメリットになります。

逆に、地方の拠点で1人1台、会議と業務システムが中心という使い方なら、5G対応であることよりもデータ容量・料金・管理のしやすさを優先して選ぶほうが満足度は高くなります。速度・容量・コストの比べ方は法人向けポケットWi-Fiの選び方|速度・容量・コストを比較、据置型との使い分けはポケットWi-Fiとホームルーターの違い|用途別のおすすめは?をご覧ください。

判断基準④端末とコスト|「今選ぶ端末を何年使うか」で決まる

ここまでの3つは「今どう使うか」の話ですが、実務ではもう一つ、期間の視点が必要です。法人でモバイルルーターを配ると、2〜4年は同じ端末を使い続けるのが一般的です。

▶ 今は4Gで足りていても、途中でエリアは広がる

サブ6展開率は2027年度までに90%という目標が置かれ、実際に前年度から伸びています。今日の時点で「まだサブ6が来ていない」地域でも、端末の利用期間中に環境が変わる可能性があります。導入時点の体感だけで4G専用機を選ぶと、環境が整ったときに恩恵を受けられません。

▶ 判断は「価格差が何に効くか」で切り分ける

端末や料金プランの価格差は仕入れ条件・契約形態・時期で変わるため、一律には言えません。だからこそ、差額が「今の体感」に効くのか「これからの余裕」に効くのかを切り分けて説明することが大事です。都市部の拠点や大容量用途なら前者、地方拠点で会議中心なら後者、という整理になります。株式会社リンク・クリエーションでは、UROCOMM JAPAN正規代理店として希少な通信商材を業界最安級卸価格でご案内していますので、条件を含めた具体的な比較はお問い合わせください。

代理店の方へ|「5Gだから速い」と言わない説明が信頼をつくる

通信商材を扱う立場では、5G対応は売りやすいキーワードです。ただ、エリアと周波数帯の事情を伏せたまま速さを強調すると、導入後の「思ったほど変わらない」がそのままクレームと解約につながります。ストック型の収益は継続してこそ積み上がるため、短期の受注よりも説明の正確さが効いてきます(ストック型ビジネスとは?Wi-Fi代理店が安定収入を生む仕組み)。

おすすめしたい説明の型は次の3ステップです。

  • 使う場所を聞く……拠点の住所と、実際に持ち出す範囲を確認する。
  • 用途を数字に落とす……何人が、何に使うか。Web会議中心なのか、映像やファイル転送があるのか。
  • 期待値を先に伝える……「この地域では今は4G中心の体感になる可能性がある」と先に言っておくと、あとで信頼を失いません。

株式会社リンク・クリエーションは、販売フローの構築からトークスクリプトの共有まで、売れるまで伴走するサポートをご用意しています。仕入れ先を検討中の方は通信商材の卸会社を選ぶ5つのポイント|失敗しない仕入れ先選び、本業と並行して始めたい方は副業から始める通信代理店|本業と両立する時間の使い方もあわせてご覧ください。訪日客向けの需要については海外対応Wi-Fiの需要が急増中|インバウンドビジネスとの接点で解説しています。

まとめ|問いは「5Gは必要か」ではなく「どの5Gが届くか」

全国の5G人口カバー率98.6%は事業者のエリアを重ね合わせた数字で、事業者単位・地域単位ではまだ差があります。速度を出しやすいサブ6の展開率は全国75.5%で、都道府県では17.6%から94.0%まで開いています。一方で、Web会議のような日常業務に必要な帯域は1.5Mbps前後です。

結論として、5G対応そのものは「今は保険、将来は標準」と考えるのが実務的です。判断は次の順番で行ってください。

  • ① 使う場所で、契約する回線の5Gエリアを確認する
  • ② その地域にサブ6が来ているかを見る(来ていなければ体感は4G寄り)
  • ③ 用途に必要な帯域を数字で押さえる
  • ④ 端末を使う年数と価格差を見比べる

この4点を押さえておけば、「5G対応だから高い機種を」でも「うちは4Gで十分」でもない、実態に合った選び方ができます。数字の出どころは総務省「5Gの整備状況」(令和7年度末の公表資料令和6年度末の別紙PDF)とMicrosoft Learn「Teams 用に組織のネットワークを準備する」です。

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