法人のBCP対策として、通信手段の確保は後回しにされがちな項目です。固定回線が止まれば、受発注も決済も社内連絡も同時に止まります。この記事では、ポケットWi-Fiをバックアップ回線として備える考え方と、通信障害・災害時に事業を止めないための準備を、通信商材の卸を手がける株式会社リンク・クリエーションが解説します。
通信が止まると、業務は同時に止まる
BCP(事業継続計画)というと、耐震や備蓄、安否確認の仕組みを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし実務で最初に困るのは、多くの場合「つながらないこと」です。
固定回線が使えなくなると、次の業務が一斉に影響を受けます。
▶ 受発注・在庫管理
クラウド型の基幹システムやEDIが使えず、出荷指示が出せない
▶ キャッシュレス決済
Wi-Fiや有線でつないでいる決済端末が通信できず、カード決済が受けられない
▶ 社内外の連絡
クラウドPBXやWeb会議、メールが止まり、指示系統が途切れる
売上の入口である決済が止まることの影響は特に大きく、復旧までの時間がそのまま機会損失になります。決済環境についてはJMSおまかせサービスとは?マルチ決済を1台にまとめるメリットでも解説していますが、そもそも通信が生きていることが前提になります。
通信障害は「起きるもの」として制度が整備されている
通信の停止は珍しい出来事ではありません。総務省の令和7年版情報通信白書によると、2023年度に報告のあった四半期ごとの報告を要する事故は7,261件、そのうち重大な事故は18件で、2019年度以降は増加傾向にあるとされています。なお、この四半期ごとの報告は2025年度分から「年度報告」へ制度が変更されています。
電気通信事業法では、一定規模以上の通信障害を「重大な事故」として、事業者に総務大臣への報告を義務づけています。
総務省が示す基準では、たとえば次のような場合が重大な事故にあたります。
- 緊急通報を取り扱う音声伝送役務…影響利用者数3万以上かつ1時間以上
- 緊急通報を取り扱わない音声伝送役務…3万以上かつ2時間以上、または10万以上かつ1時間以上
- インターネット接続サービス…3万以上かつ2時間以上、または10万以上かつ1時間以上
事業者は速やかに報告し、30日以内に詳細な報告を行うことが電気通信事業法施行規則で定められています。注目したいのは、この基準が「3万人・2時間」から適用されるという点です。全国規模の大事故だけでなく、それより小さい規模の障害でも国への報告が義務づけられるほど、通信の停止は現実的なリスクとして制度化されているということです。
ここで押さえておきたいのは、こうした基準に届かない小規模な障害や、自社ビル内の設備トラブル、工事による切断は日常的に起こりうるという点です。「大きな事故のニュースがなければ安心」ではありません。
バックアップ回線にポケットWi-Fiが向く理由
回線の冗長化というと、固定回線をもう1本引く方法が思い浮かびます。ただ、コストと工期の負担が大きく、中小企業では現実的でないことも少なくありません。
工事がいらず、届いたその日から使える
ポケットWi-Fiは、初期設定を済ませた端末であれば、受け取って電源を入れるだけで使い始められます。回線工事も配線も不要なため、「必要になってから慌てて手配する」ではなく、あらかじめ備えておくことが容易です。
回線の系統を分けられる
バックアップとして意味を持たせるには、本回線と別の系統にしておくことが重要です。同じ事業者・同じ設備を通る回線を2本用意しても、上流で障害が起きれば同時に止まります。固定回線とモバイル回線という組み合わせは、系統を分ける最も手軽な方法です。あわせて、本回線や社用スマホとは別のキャリア網を選んでおくと、分離の効果がより確かになります。
持ち出せる=拠点外でも業務を続けられる
災害時にオフィスへ入れない場合でも、端末を持ち出せば別の場所で業務を再開できます。固定回線にはない利点です。平常時はテレワークや出張、イベント会場などにも使えるため、備えが遊ばないのも実務的な魅力といえます。用途別の考え方はポケットWi-Fiとホームルーターの違いもご参照ください。
備えるときに確認したい4つのポイント
「とりあえず1台」で終わらせないために、次の点を整理しておくと運用に耐えます。
▶ 1. 何台必要か
全社員分は不要でも、決済端末・基幹システム・責任者の連絡手段など、止められない業務の数から逆算します。
▶ 2. 通信量の想定
非常時は動画会議やクラウド同期で通信量が跳ね上がります。容量の考え方は法人向けポケットWi-Fiの選び方|速度・容量・コストを比較でも整理しています。
▶ 3. 保管場所と充電
いざというとき電池切れでは意味がありません。保管場所を決め、定期的に充電と通信確認を行う運用にしておきます。
▶ 4. 誰が使うかを決めておく
持ち出す担当者、接続する機器、優先順位を事前に決めておくと、混乱時の判断が早くなります。従業員への貸与運用はテレワーク用Wi-Fiを従業員に貸与|法人の選び方ガイドが参考になります。
代理店にとってはBCPが新しい提案の切り口になる
通信商材を扱う代理店の立場では、この領域は提案の余地が大きいテーマです。「安いWi-Fiはいかがですか」という価格勝負ではなく、「通信が止まったときに事業をどう続けますか」という課題から入れるためです。
すでにBCPを整えている企業でも、通信のバックアップだけが抜けているケースは珍しくありません。防災訓練や規程の見直しのタイミングは、提案が通りやすい場面といえます。ストック型の収益構造についてはストック型ビジネスとは?Wi-Fi代理店が安定収入を生む仕組みで詳しく解説しています。
通信の備えは、リンク・クリエーションにご相談ください
株式会社リンク・クリエーションは、UROCOMM JAPANの正規代理店として、他社では扱いの少ない希少な通信商材を業界最安級の卸価格でご提供しています。法人のバックアップ回線としての導入も、代理店としての取り扱いも、どちらもご相談いただけます。
導入台数の考え方や運用ルールの決め方など、はじめての方には伴走サポートでお手伝いします。クレジット加盟店サービス、法人向けETC・ガソリンカードとあわせ、3事業で企業のコストと業務基盤を支えていますので、社用車のコスト管理を含めた見直しをお考えの場合は運送業・配送業の経費削減|ETC・ガソリンカードの見直しもあわせてご覧ください。
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