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飲食店の回転率を上げるキャッシュレス|会計時間短縮の実務

飲食店の回転率とキャッシュレス決済の関係を、会計時間から整理します。回転率を上げたいとき多くの方は調理や配膳から見直しますが、席が空くまでの最後の数十秒を握っているのは会計です。この記事では株式会社リンク・クリエーションが、キャッシュレスが会計時間にどれだけ効くのかを実証データで確認し、ピークタイムの回転率にどうつながるのか、導入時の落とし穴までをご説明します。

会計にかかる時間は、実際に測られています

「キャッシュレスのほうが速い」という感覚は多くの方がお持ちですが、これは実験で数値化されています。

株式会社ジェーシービー(JCB)が2019年に行った決済速度の実証実験では、レジ会計においてキャッシュレス決済は現金より16秒速いという結果が出ています。非接触型に限ると現金より20秒速く、約3分の1の時間で支払いが完了したと報告されています。

実測値は、非接触型が8秒、クレジットカードが12秒、QRコードが17秒、現金が28秒。20〜40代の男女を決済手段ごとに25名ずつ、計100名で行った実験です。

ここで押さえておきたいのが、16秒という差は3つのキャッシュレス手段の平均だという点です。非接触型を主力にすればもっと速くなりますし、QRコード中心の店であれば現金との差は11秒ほどになります。どの手段を入れるかで効き方は変わります。

同社は、1日の来店客数をコンビニエンスストア(848人)に置いた試算として、消費者が完全にキャッシュレスへ移行した場合に1店舗あたりの労働時間が一日約4時間減る可能性を示しています。ただしこれは来店客数に比例する数字です。ご自身の店舗では「1日の会計件数×16秒」で見積もるほうが実際的でしょう。

ひとつ補足しておくと、これは2019年の実験です。決済端末も決済手段もその後に変化していますので、現在の数字がそのまま同じとは限りません。ただ、現金のやりとりに時間がかかるという構造そのものは変わっていないと考えてよいでしょう。

16秒が効いてくるのはピークタイムです

1件あたり16秒と聞くと、小さな差に思えるかもしれません。実際、空いている時間帯であればほとんど影響しません。

問題になるのはランチタイムのような混雑時です。会計の待ち行列ができている状態では、1件ごとの遅れがそのまま後ろのお客様の待ち時間に積み上がっていきます。レジ前に5人並んでいれば、最後の方は差の5倍だけ待たされる計算になります。

そして飲食店の場合、レジが詰まると席が空きません。食べ終わったお客様が会計待ちで席を立てない、あるいは立ったあともレジ前に滞留する。この間、次のお客様は入れない状態が続きます。▶ 会計が遅いと、空席が生まれないのではなく「空席になるのが遅れる」という形で回転率に効いてきます。

入口で待っているお客様が待ちきれずに帰ってしまえば、その分がそのまま機会損失になります。ピークタイムの60分をどう使うかを考えると、会計の数十秒は無視できない要素です。

時間を食っているのはレジ前だけではありません

会計時間の話をすると、どうしてもレジでのやりとりに目が向きます。ですが現金を扱うことで発生している時間は、営業中以外にもあります。

開店前の釣り銭の準備、閉店後のレジ締めと違算の確認、売上金を銀行へ運ぶ手間。いずれも営業時間外に発生していて、キャッシュレス比率が上がると自然に減っていく部分です。レジ前の16秒よりこちらのほうが体感として大きい、という声もあります。

一方で、キャッシュレスにすると入金は後日になりますので、資金繰りの設計は別途必要です。この点はクレジット加盟店の入金サイクルで詳しくご説明しています。

決済手段を増やすと、逆に遅くなることがあります

ここが見落とされやすい落とし穴です。

「お客様の選択肢を増やそう」と決済手段を追加していくと、レジまわりに端末が並びます。するとスタッフが端末を選ぶところで手が止まり、せっかくキャッシュレスにしたのに会計時間が短くならない、ということが起こり得ます。

この解決策が、複数の決済手段を1台で扱えるマルチ決済端末です。仕組みについてはJMSおまかせサービスとは?で解説しています。どの決済手段を優先すべきかで迷われている場合はQRコード決済とクレカ決済の違いを、手数料の比較はキャッシュレス決済の手数料を比較をご覧ください。

お客様側では、キャッシュレス決済が広がっています

会計を速くする以前に、そもそも支払えないという状況も起こります。

経済産業省の公表によると、2025年のキャッシュレス決済比率は58.0%となりました。内訳はクレジットカードが82.7%と大半を占め、コード決済が10.2%、電子マネーが3.7%、デビットカードが3.4%です。同省は2030年までに65%という中間目標を掲げています。

消費支出の金額ベースで6割近くが現金以外という状況では、対応していないこと自体が会計以前の問題になります。訪日のお客様への対応については、インバウンド対応に必要な決済環境とは?でも取り上げました。導入そのものを検討中の方は、飲食店・小売店がキャッシュレス決済を導入すべき理由もあわせてご覧ください。

回転率は会計だけでは決まりません

正直なところを申し上げると、回転率に影響する要素のうち、会計時間の比重が最も大きいわけではありません。

席数、料理の提供までの時間、片付けと次のセッティングの速さ、動線。これらのほうが影響は大きく、会計だけを速くしても劇的に変わるものではありません。

ただ、会計は比較的すぐ手を入れられる部分です。厨房のオペレーションを組み直すには時間も投資も必要ですが、決済まわりの見直しは端末の入れ替えで済むことが多く、着手のハードルが低い。ボトルネックがいくつかあるとき、外しやすいものから外していくのは合理的な進め方です。

株式会社リンク・クリエーションのサポート

当社は東京都港区を拠点に、クレジット加盟店の取次、通信商材の卸、法人向けETC・ガソリンカードの3事業を手がけています。

クレジット加盟店については、店舗の業態や客層に合わせて必要な決済手段を整理し、申し込みから導入までをご案内します。「どの決済を入れるべきか分からない」「端末が増えて困っている」といった段階からのご相談で構いません。

通信商材では、UROCOMM JAPANの正規代理店として、代理店パートナーの皆様に日本では希少な通信商材を業界最安級の卸価格でご提供し、売れるまで伴走するサポート体制をご用意しています。店舗の通信環境については法人BCPに通信の備えを、社用車のコスト管理はETC利用分のインボイス対応もご参考ください。

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