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代理店の解約率を下げる|契約後に続けてもらうフォロー設計

通信代理店の解約率(チャーン)は、ストック型の収益がどこまで積み上がるかを左右する数字です。契約後に使い続けてもらうための設計は後回しにされがちですが、開通直後の「思っていたのと違う」を放置すると、取った契約はすぐに消えてしまいます。本記事では、UROCOMM JAPAN正規代理店の株式会社リンク・クリエーションが、解約を減らすフォローの組み立て方を、契約前・開通直後・運用中の3段階で解説します。

解約率が「積み上がる上限」を決める

ストック型の収益は、契約が続いているかぎり毎月入ってくる一方、解約された契約の分はそこで止まります(仕組みはストック型ビジネスとは?Wi-Fi代理店が安定収入を生む仕組みで解説しています)。手元の契約数は、新規獲得による足し算と、解約による引き算の差で決まります。

単純化した試算をしてみます。毎月10件ずつ新規契約を獲得し、既存の契約のうち毎月2%が解約されるとします。契約数が500件に近づくと、毎月の解約もおよそ10件になり、獲得と打ち消し合って伸びが止まります。解約率が1%なら、上限はおよそ1,000件です。解約率を半分にすると、同じ営業量のままで積み上がる上限が2倍になるということです。ただし、上限に近づくまでには年単位の時間がかかります。同じ条件で3年後の契約数を計算すると、解約率2%で約258件、1%で約304件です。差は時間がたつほど広がっていきます。

営業の手数を倍にするのは簡単ではありませんが、解約率は売り方とフォローの設計で下げられます。なお、短期間で解約された契約の報酬がどう扱われるか(支払いの対象外になる期間があるか等)は代理店契約によって異なるため、取引先との契約書で必ず確認しておきましょう。

解約が起きやすい3つのタイミング

▶ ① 開通直後:「思っていたのと違う」
電波が入りにくい、速度が想定より遅い、データ容量が足りない。契約前の期待と使い始めの実感がずれると、利用者は早い段階で解約を考えます。

▶ ② 最初の請求が届いたとき:料金の認識違い
初期費用やオプション料金などが加わった請求額が、聞いていた月額と違って見えるケースです。説明した内容と利用者が覚えている内容がずれていると、不信感につながります。

▶ ③ 利用状況が変わったとき:使わなくなった
テレワークの縮小や人員の入れ替わりで端末が使われなくなると、更新や見直しのタイミングで解約されやすくなります。法人契約では、担当者の異動で「なぜこの契約をしているのか」が引き継がれていないこともあります。

それぞれ打つ手が違うので、以下では時間の流れに沿って整理します。

契約前|説明の正確さが早期解約を減らす

早期解約には、契約前の期待値の置き方で防げるものが少なくありません。消費者向けの通信契約には法律上のルールもあるので、あわせて押さえておきましょう。

説明のルールは代理店にもかかる

電気通信事業法第26条は、総務大臣が指定する通信サービスについて、電気通信事業者が契約の前に「料金その他の提供条件の概要」を利用者に説明することを定めています。この規定は、契約の媒介等を行う代理店(届出媒介等業務受託者)にも準用されます(同法第73条の3)。対象となるサービスについて、委託を受けて契約の媒介等を行う場合は、総務大臣への届出が必要です(同法第73条の2)。同じく準用される第27条の2第1号では、契約に関する重要な事項について「故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為」が禁じられています。

さらに、対象となるサービスのうち一部(同法第26条第1項第1号・第2号として指定されたもの)の契約には「初期契約解除制度」があります(同法第26条の3)。総務省は、この制度を「通信サービスの契約を結んで、契約書を受け取ってから8日以内であれば、一方的に契約を解約できるということを定めた制度」と説明しており、「例えば2年以内の解約に違約金が設定されていたとしても、この契約自体がなかったことになるので、違約金の支払いは不要となる」としています(総務省ホームページ『Q5.「初期契約解除」ってなに?』)。事務手数料など一部の実費は支払いが必要とされ、同じページでは「携帯電話端末の購入はキャンセルできない場合が多い」とも注意されています。大手携帯会社など一部の携帯会社では、初期契約解除の代わりに、総務大臣の認定を受けた「確認措置」という制度が適用されます。同じページでは、確認措置について「電波状況が不十分」「説明が不十分」などの場合に限り、端末もキャンセルできるようにしている、と説明されています。

代理店にとっての意味は明快です。初期契約解除の対象となる契約は、説明の良し悪しにかかわらず、書面を受け取ってから8日以内なら利用者の意思だけで解除されうるということです(携帯電話などの移動系のサービスで、利用開始が書面の受領より後になる場合は、利用開始日から数えます)。開通直後に「思っていたのと違う」と感じさせてしまうと、そのまま解除につながりかねません。取り扱う回線がこうしたルールの対象か、初期契約解除と確認措置のどちらが適用されるかは、回線を提供する電気通信事業者や卸元に確認しておきましょう。

法人契約は説明義務の対象外。それでも説明は省かない

電気通信事業法施行規則では、法人がその営業のために結ぶ契約や、個人が専ら営業として結ぶ契約(法人契約)は、説明義務の対象から外されています(第22条の2の3第6項第1号)。契約書面の交付や初期契約解除も、これに連動して対象外です。ただし、重要な事項について故意に事実を告げない・不実のことを告げる行為の禁止(電気通信事業法第27条の2第1号)には法人契約を外す規定がなく、法人のお客様にもかかります。

説明義務がないからといって、説明を省いてよいわけではありません。法人の担当者は社内で導入の理由を説明する立場にあり、聞いていなかった条件が後から見つかると、次の見直しで真っ先に候補に挙がります。法人向けでも、個人向けと同じ水準で次の項目を伝えておくと安全です。施行規則が説明事項として挙げている内容(提供を受けられる場所、品質、料金、解約の条件、連絡先など)とも重なります。

▶ 契約前に伝えておきたい5項目

  • 使う場所での電波状況と、速度の目安(エリアの見方は5G対応ポケットWi-Fiは必要?法人が見るべき4つの判断基準で解説)
  • データ容量と、上限を超えたときの扱い
  • 月額以外にかかる費用(初期費用・端末代・オプション)
  • 契約期間と、解約するときの条件・費用
  • 困ったときの問い合わせ先と受付時間

法人のお客様に機種やプランを選んでもらう際の観点は、法人向けポケットWi-Fiの選び方|速度・容量・コストを比較も参考になります。

開通直後|最初の数週間を「確認の期間」にする

契約前にどれだけ丁寧に説明しても、実際に使ってみて初めて分かることはあります。開通後に何の連絡もないまま不満がたまると、利用者は代理店に相談せず、そのまま解約を選びがちです。

▶ 開通後に一度、こちらから連絡する
「つながりましたか」「使う場所で速度は出ていますか」と、開通から数日のうちにこちらから確認します。置き場所や設定を見直すだけで解決する不満もあります。不満が小さいうちに拾えるかどうかが分かれ目です。

▶ 問い合わせ先を1枚にまとめて渡す
端末の不具合は誰に、請求の質問は誰に、と窓口が分かれていると、利用者は迷った末に解約へ流れやすくなります。連絡先と受付時間を1枚にまとめて渡しておくだけで、相談の入口がひとつになります。

▶ 最初の請求の前に、内訳を一言添える
初回は日割りの料金や初期費用が加わるなどして、請求額が月額と違って見えることがあります。「最初の請求はこういう内訳になります」と先に伝えておけば、請求書を見たときの驚きを防げます。

運用中|「使われていない」を早めに見つける

契約が落ち着いたあとの解約は、不満よりも「使わなくなった」ことから起きます。決まったタイミングで接点を持っておくと、見直しの相談を代理店が受けられるようになります。

▶ 連絡のタイミングを先に決めておく
契約期間の満了や更新が近づいたとき、法人なら年度替わりや人事異動の時期など、利用状況が変わりやすい節目に合わせて連絡します。顧客ごとに次の連絡日を管理表に入れておけば、担当者の記憶に頼らずに回せます。

▶ 解約より先に「見直し」を提案する
使われていない端末があるなら、こちらから台数やプランの見直しを持ちかけます。一時的に売上が減っても、「言えば調整してくれる相手」と受け止めてもらえれば、契約全体を他社へ切り替えられる事態は避けやすくなります。

▶ 通信以外の困りごとも聞いておく
店舗であればキャッシュレス決済(JMSおまかせサービスとは?マルチ決済を1台にまとめるメリット)、社用車のある会社であれば高速料金(法人ETCカードで高速道路代を削減)など、通信以外の相談にも乗れると接点が増えます。困ったときに思い出してもらえる相手でいることが、関係を長く続ける土台になります。

解約の申し出は「理由の記録」に使う

フォローを尽くしても、解約はゼロにはなりません。申し出を受けたら、無理に引き止めるより、理由を聞いて記録することを優先します。施行規則では、利用者が遅滞なく契約を解除できるようにするための適切な措置を講じないことが禁止行為とされており(第22条の2の13の2第1号・法人契約を除く)、この規定は代理店にも準用されます(同第40条第5項)。理由を聞くのは、解約の手続きを遅らせない範囲にとどめましょう。

「電波」「速度」「料金の認識違い」「使わなくなった」「移転・閉店」のように分類しておくと、どの段階の説明やフォローが弱いのかが見えてきます。たとえば開通直後の「電波」「速度」が多ければ、契約前の利用場所の確認が甘い可能性があります。その結果を販売トークや説明資料に戻せば、次に結ぶ契約の解約率は下がりやすくなります。成果が出る代理店とそうでない代理店の差については、通信代理店で成功する人・失敗する人の違いとは?でも取り上げています。

解約率は2つに分けて見る

管理する数字は、全体の月次解約率(当月の解約件数を月初の契約件数で割ったもの)と、開通から一定期間内(例:3か月以内)の早期解約の件数を分けて追うのがおすすめです。早期解約が多ければ売り方や説明の問題、長く使ったあとの解約が多ければ運用中のフォローの問題と、打ち手を切り分けやすくなります。

説明の質をそろえるなら、伴走サポートを活用する

契約前の説明を、誰が案内しても同じ水準にそろえるのは簡単ではありません。株式会社リンク・クリエーションは、UROCOMM JAPAN正規代理店として日本では希少な通信商材を業界最安級の卸価格でご提供し、販売フローの構築からトークスクリプトの共有まで、売れるまで伴走するサポートを行っています。複雑なプランを分かりやすく説明するためのツールやノウハウもご用意しており、契約やトラブル対応などのサポート窓口も当社がきめ細かく対応します。

仕入れ先の選び方は通信商材の卸会社を選ぶ5つのポイント|失敗しない仕入れ先選び、本業と並行して始めたい方は副業から始める通信代理店|本業と両立する時間の使い方もあわせてご覧ください。店舗の決済まわりはクレジット加盟店サービス、社用車のコストはETC・ガソリンカード事業でもご相談を承っています。

出典:総務省ホームページ『Q5.「初期契約解除」ってなに?』。条文は電気通信事業法・電気通信事業法施行規則(e-Gov法令検索)によります。本記事では、これらの内容を要約・編集して紹介しています。

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