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キャッシュレス化で現金管理はどう変わる|レジ締め・両替・入金

キャッシュレス化で店舗の現金管理がどう変わるのかを、飲食店・小売店のオーナーや店長の方に向けて解説します。キャッシュレスで支払うお客様が増えると、レジ締めで数える現金、両替や釣り銭の準備、売上金を金融機関へ運ぶ回数といった日々の手間が見直せるようになります。株式会社リンク・クリエーションが、現金が残ることを前提にした見直しの順番と、自店の状況の確かめ方をまとめます。

店舗の現金管理には、どんな手間があるか

現金を扱う店舗では、売上を受け取る瞬間だけでなく、その前後にも作業が続きます。主なものを並べると次のとおりです。

▶ 開店前の釣り銭の準備
レジに入れる硬貨・紙幣を金種ごとにそろえます。足りなくなりそうな金種は、事前に両替しておく必要があります。

▶ 閉店後のレジ締め
レジの中の現金を数え、レジの売上記録と照らし合わせます。合わないとき(過不足)は、原因を探して記録を残します。

▶ 売上金の保管と入金
数えた売上金を金庫で保管し、金融機関へ運んで入金します。現金を持って移動する時間と、その間の防犯上の不安がついて回ります。

どれも一つひとつは短い作業ですが、営業日のたびに発生し、多くはスタッフの手で行われます。キャッシュレス決済が増えると、この「現金を数える・そろえる・運ぶ」の量そのものが変わってきます。

キャッシュレス決済比率58.0%が示すもの

経済産業省の発表によると、2025年のキャッシュレス決済比率は58.0%(キャッシュレス決済額162.7兆円)でした。キャッシュレス決済額の内訳はクレジットカードが82.7%と大半を占め、コード決済10.2%、電子マネー3.7%、デビットカード3.4%と続きます。

ただし、この数字の読み方には注意が必要です。58.0%は支払われた金額をもとにした比率で、会計の件数の比率ではありません。経済産業省のページでも、キャッシュレス推進検討会の整理として、現金を含めた総決済件数は出すのが難しいため、件数は参考情報として公表するにとどめるとしています。また、この58.0%は新しい「国内指標」による数字です。同じページに載っているキャッシュレス推進検討会のとりまとめでは、2020年〜2024年の実績で国内指標のほうが従来の国際比較指標より8〜9%程度高いとされており、過去の記事や資料の数字とそのまま比べることはできません。

つまり「お客様の約6割がキャッシュレスで払っている」という意味ではありません。少額の会計が多いお店と、高額の会計が多いお店とでは、現金の割合がまったく違うこともありえます。自店の現金管理を考えるときは、全国の比率ではなく、自店のレジの記録を見るのが出発点です(確かめ方は後半で紹介します)。

出典:経済産業省「2025年のキャッシュレス決済比率を算出しました」(2026年3月31日)を要約・編集して株式会社リンク・クリエーションが作成

キャッシュレスの割合が上がると変わる3つの作業

1. レジ締め:数える現金が減り、照合の相手が分かれる

キャッシュレスで受けた売上は、レジに現金として入りません。現金の割合が下がれば、閉店後に数える紙幣・硬貨の量が減り、その分だけ数える手間も軽くなることが期待できます。

一方で、締めの作業がなくなるわけではありません。キャッシュレス分は、決済端末の売上の集計(日計)とレジの記録が合っているかを確認する作業に置き換わります。現金は「現金とレジの記録」、キャッシュレスは「端末の集計とレジの記録」と照合の相手が分かれるので、過不足が出たときに、どちらで食い違ったのかを切り分けやすくなります。締めの手順を一度書き出し、現金とキャッシュレスで分けておくとスタッフ間でも迷いにくくなります。

2. 両替・釣り銭:準備する量を実績に合わせられる

現金で払うお客様が減れば、用意しておく釣り銭も少なくて済む可能性があります。ただし、どの金種がどれだけ減るかは客層や価格帯で変わるため、感覚で減らすと「混む時間に千円札が足りない」といったことが起きかねません。まずは数週間、締めのときに金種ごとの残り枚数を記録し、実績を見てから準備量を調整するのが安全です。

両替や入金にかかる費用も見直しの材料になります。金融機関によっては、硬貨の入金や両替に枚数に応じた手数料がかかります。たとえばゆうちょ銀行は、貯金窓口に硬貨を持ち込む場合、枚数に応じて硬貨取扱料金がかかると案内しています。料金や無料の範囲は金融機関ごとに異なり、改定されることもあるため、取引先の金融機関で最新の条件を確認してください。

3. 売上金の入金:運ぶ回数と、手元に置く時間

現金の売上が減れば、金融機関へ運ぶ量や回数を見直せる場合があります。営業時間中に入金のため店を離れる時間が減れば、そのぶん接客や仕込みに回せます。また、店内や移動中に置いておく現金が少ないほど、盗難や紛失のときの損失も小さく抑えられます。

ここで気をつけたいのが、キャッシュレスの売上はすぐには口座に入らない点です。現金はその日のうちに手元にありますが、カード決済などの売上は、契約している決済サービスの締め日と支払日に沿って後日まとめて入金されます。現金の割合が下がるほど、仕入れや給与の支払いと入金日のずれが大きく効いてきます。入金サイクルの考え方は「クレジット加盟店の入金サイクル|資金繰りで損しない選び方」で詳しく解説しています。

現金はゼロにならない前提で見直す

キャッシュレスの割合が上がっても、現金で払いたいお客様はいらっしゃいます。現金を受け付ける以上、釣り銭の準備もレジ締めも続きます。見直しの目的は「現金をなくすこと」ではなく、現金とキャッシュレスそれぞれの管理を、実際の割合に合った手間のかけ方にすることです。

現金まわりの機器にも目を向けておきましょう。日本銀行は2024年7月3日に新しい日本銀行券の発行を始めました。自動釣銭機や券売機など紙幣を読み取る機器を使っている店舗では、こうした改刷のたびに対応状況の確認や更新の検討が必要になることがあります。機器の更新時期が近いなら、現金の割合とあわせて、次の機器に何を求めるかを考えるよい機会です。

反対に、キャッシュレスにはキャッシュレスの管理があります。決済ごとにかかる手数料、端末の種類や設置場所、締めの操作などです。手数料の比べ方は「キャッシュレス決済の手数料を比較|クレカ・QR・電子マネーの違い」、端末の選び方は「決済端末の種類と選び方|据置型・モバイル型・タブレット型の違い」にまとめています。会計にかかる時間の短縮という観点は「飲食店の回転率を上げるキャッシュレス|会計時間短縮の実務」もあわせてご覧ください。

自店の現金の割合を確かめる手順

見直しの前に、自店で現金がどれくらい使われているかを数字でつかみます。特別な道具は要りません。

▶ ステップ1:支払方法別の売上を1か月分集める
レジや決済端末の集計から、現金・クレジットカード・コード決済・電子マネーなど支払方法ごとの「金額」と「件数」を1か月分取り出します。金額だけでなく件数も見るのがポイントで、件数で見た現金の割合が、日々の釣り銭やレジ締めの手間に近い指標になります。

▶ ステップ2:曜日・時間帯で分けて見る
平日の昼と週末の夜で現金の割合が大きく違うこともあります。釣り銭が多く出る時間帯がわかれば、両替のタイミングや準備量を決めやすくなります。

▶ ステップ3:作業ごとの手間と費用を書き出す
レジ締めにかかる時間、両替や入金に出かける回数、金融機関の手数料、現金を扱う機器の保守費などを並べます。ステップ1・2の数字と並べると、どの作業から見直すと効果が大きいかが見えてきます。

これからキャッシュレス決済を導入する、または決済手段を増やすことを検討している場合は、「飲食店・小売店がキャッシュレス決済を導入すべき理由|クレジット加盟店のメリットと始め方」や「QRコード決済とクレカ決済の違い|店舗はどちらを優先すべき?」も参考になります。個人で営業している方は「個人事業主はクレジット加盟店になれる?審査のポイントと準備」をご覧ください。

株式会社リンク・クリエーションの3つの事業

株式会社リンク・クリエーションでは、店舗のキャッシュレス対応としてクレジット加盟店サービスをご案内しています。複数の決済手段を1台の端末でまとめる仕組みについては「JMSおまかせサービスとは?マルチ決済を1台にまとめるメリット」で紹介しています。

通信商材の代理店事業では、UROCOMM JAPAN正規代理店として、日本では希少な通信商材を、代理店パートナーの皆様に業界最安級の卸価格でご提供しています。商材を卸して終わりではなく、販売フローの構築からトークスクリプトの共有まで伴走サポートするのが当社の方針です。店舗の本業と組み合わせる考え方は「本業+Wi-Fi代理店で月商アップ|相性のいい業種5選と活かし方」でまとめています。

また、社用車をお使いの法人様には、法人ETC・ガソリンカード事業もご案内しています。車両にかかる経費の管理については「社用車のコスト管理を見直す|ETC+ガソリンカードで経理を効率化」をご覧ください。

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