ポケットWi-Fiの「無制限プラン」を法人のお客様に案内する代理店・販売店の方に向けて、速度制御(速度制限・帯域制御)の仕組みと、誤解を生まない伝え方を解説します。「無制限」でも、速度にはプランごとの条件が付くことがあります。UROCOMM JAPAN正規代理店の株式会社リンク・クリエーションが、総務省のガイドラインをもとに、説明しておきたい項目と確認ポイントをまとめます。
「無制限」が約束するのは速さではない
「無制限」「使い放題」と表示されるプランは、月あたりのデータ使用量に上限を設けない(または非常に大きい)ことを訴求するものです。ただし、通信速度がいつも一定であることまで約束しているとは限りません。プランによっては、次のような条件が別に定められていることがあります。
▶ 短期間の使用量による速度制限
「○日間で○GBを超えると、速度を○kbpsに制限」のように、一定期間の使用量で発動するものです。月の上限がないプランでも、こうした条件が別にある場合があります。
▶ 混雑時の帯域制御
利用が集中する時間帯や場所で、ネットワーク全体の混雑を避けるために、各利用者の通信を一定の水準に抑えるものです。
▶ 特定の通信を対象にした制御
大容量の動画再生など、特定の用途やアプリケーションの通信を対象にするものです。
▶ ベストエフォート型の品質
表示される最高速度は保証値ではなく、電波の状況や同じ回線を使う人の多さによって、実際の速度は下がることがあります。
どの条件が付くか、何GBで何kbpsになるかは、回線事業者とプランによって異なります。数字は必ず提供元の重要事項説明書や契約書面で確認してください。据え置き型の端末と比べたい場合はポケットWi-Fiとホームルーターの違いもあわせてご覧ください。
契約前に説明が求められる「制限の内容」
電気通信事業法第26条は、対象となる通信サービスについて、契約前に料金その他の提供条件の概要を説明するよう求めています。説明すべき事項は同法施行規則第22条の2の3第1項に定められており、第3号では「品質」(ハ)や、「電気通信役務の利用に関する制限がある場合には、その内容」(ト)が挙げられています。この説明義務は、同法第73条の3により、届出をして契約の媒介等を行う代理店(届出媒介等業務受託者)にも準用されます。なお、委託を受けて対象となる契約の媒介等を行う場合は、同法第73条の2により総務大臣への届出が必要です。届出は業務を始める前に行うもので、提出先は本店所在地(個人の場合は住所)を管轄する総合通信局等です。電子届出システムか書面で届け出る方法が、総務省から案内されています。
ガイドラインが示す説明の中身
総務省の「電気通信事業法の消費者保護ルールに関するガイドライン」は、データ使用可能量を超えたときの速度制限や、混雑回避のための帯域制御を行っている場合、その内容を説明する必要があるとしています。説明する内容として挙げられているのは、次のような項目です。
- 制御に該当する基準(対象となる通信量や、対象となるアプリケーションの名称など)
- 制御の発動条件
- 制御の対象となる時間帯・場所・頻度
- 制御後の水準
ガイドラインには「望ましい例」として、大容量または無制限であることを訴求するサービスに「○日間内に使用量が○GBを超えた場合には速度が○kbpsに制限される」旨の定めがある場合は、その旨を明確かつ強調された形で説明書面に示し、口頭でも告げることが挙げられています。反対に「不適切な例」として、帯域制御等を行う可能性があるのに、データ使用量に一切制限がないかのように装って勧誘することや、ネットワークの一時的な逼迫時に各ユーザの帯域を一定の水準以下に制御し得ることを説明しないまま契約に至ることが示されています。
なお、基準が複雑な場合は、説明時には代表的な例を示し、詳細は契約書面で確認するよう案内したうえで、問い合わせに適切に答えられるようにしておく方法も認められています。
出典:総務省「電気通信事業法の消費者保護ルールに関するガイドライン」(令和8年(2026年)5月最終改正)第2章・第6章を要約・編集して株式会社リンク・クリエーションが作成
法人のお客様へ案内するときの注意点
法人契約でも、速度制御の条件は伝えておく
施行規則第22条の2の3第6項第1号により、法人その他の団体が営業のために(営利を目的としない団体は事業のために)結ぶ契約など(法人契約)は、第26条の提供条件の概要説明の対象から外れています。ただし総務省のガイドラインによると、個人事業主が自分の業務に使うために結ぶ契約や、法人名義でも実際は個人の家庭で使う契約は、原則として法人契約にあたらず、説明が必要です。
また、同法第27条の2第1号は、利用者の判断に影響を及ぼす重要な事項について、故意に事実を告げないことや、事実と違うことを告げることを禁じています。ガイドラインは、法人契約もこの禁止の対象になると明記しています(相手が電気通信事業者である場合を除く)。この規定も第73条の3により代理店に準用されます。
速度制御の条件は、多くの法人にとって導入を判断する材料になりえます。法的な義務の有無にかかわらず、契約前に条件を伝えておくほうが、導入後の「話が違う」を防ぎやすくなります。契約後のフォローや、説明義務・初期契約解除の考え方は代理店の解約率を下げる|契約後に続けてもらうフォロー設計で、法人契約ならではの請求や管理の論点は法人契約と個人契約の違い|ポケットWi-Fiの請求・管理・台数で整理しています。
業務の使い方から逆算して聞く
制限が業務に響くかどうかは、お客様の使い方しだいです。案内の前に次の点を聞いておくと、説明すべき条件が絞れます。
- 主な用途(Web会議、クラウドへのデータ送信、動画研修の視聴など)
- 1日や数日単位でどれくらい通信するか(短期間の速度制限の条件と照らし合わせる)
- 使う時間帯と場所(ガイドラインでも、帯域制御の頻度の説明例として「平日12時から13時にかけて」が挙げられています)
- 1台を何人・何台の機器で共有するか
用途別の選び方は法人向けポケットWi-Fiの選び方、従業員への貸与を考えている場合はテレワーク用Wi-Fiを従業員に貸与|法人の選び方ガイドが参考になります。
言い方ひとつで誤解は防げる
▶ 誤解を招きやすい言い方
「無制限なので、どれだけ使っても速度は落ちません」「制限は一切ありません」
▶ 伝わりやすい言い方
「月のデータ量に上限はないプランです。ただし、○日間で○GBを超えると速度が下がる条件と、混雑時に速度が制御される場合があります。詳しい条件は重要事項説明書のこの欄に書かれています」
○の部分には、必ず提供元の書面に書かれた数字を入れます。記憶や他社プランの数字で代用しないことが大切です。条件が書かれた欄を一緒に指し示すと、お客様が後から自分で確認できます。
導入する法人側が確認しておきたいこと
自社で端末を導入する担当者の方は、契約前に重要事項説明書や利用規約などで、「速度制限」「帯域制御」「利用の制限」にあたる記載を確認し、社内の利用ルールにも反映しておくと安心です。たとえば、大容量のファイル送信や動画の視聴は社内の固定回線で行う、といった使い分けです。
災害時などの予備回線として持つ場合も、いつも表示どおりの速度が出るとは限らない前提で計画を立てておきます(法人BCPに通信の備えを|ポケットWi-Fiで回線を二重化)。5G対応機種を選ぶべきかどうかは5G対応ポケットWi-Fiは必要?法人が見るべき4つの判断基準でまとめています。
希少な通信商材と、売れるまでの伴走
株式会社リンク・クリエーションは、UROCOMM JAPAN正規代理店として、日本では希少な通信商材を、代理店パートナーの皆様に業界最安級の卸価格でご提供しています。商材を卸して終わりではなく、販売フローの構築からトークスクリプトの共有まで、売れるまで伴走するサポートを行っています。お取り扱いを検討している商材の条件については、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。
代理店として扱う商材の選び方は光回線・格安SIM・ポケットWi-Fi|代理店が扱う商材の違い、仕入れ先の比べ方は通信商材の卸会社を選ぶ5つのポイント、継続収入の考え方はストック型ビジネスとは?Wi-Fi代理店が安定収入を生む仕組みで解説しています。
また当社では、店舗向けのクレジット加盟店事業、社用車向けの法人ETC・ガソリンカード事業も行っています。決済端末の選び方は決済端末の種類と選び方、高速料金の経費処理はETC利用分のインボイス対応|高速料金の証憑と経費精算、カードの管理方法は社用車のETCカード管理ルール|紛失・不正利用への備えをご参照ください。
まとめ
「無制限プラン」は、月のデータ量に上限がないことを示すもので、速度がいつも同じという意味とは限りません。短期間の使用量による速度制限、混雑時の帯域制御、ベストエフォート型の品質など、プランごとの条件を書面で確かめ、お客様の使い方に照らして伝えることが、導入後の信頼につながります。法人契約では説明義務の対象外となる場面でも、重要な条件を伏せたり事実と違うことを告げたりしないことが前提です。
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